ぶきようですが、昔主任看護師をしていました・・・
忙しかった主任看護師時代は仕事が生活のすべてでした
かつて私は社畜主任看護師をしていました。
時間はないけどお金はあった主任看護師時代。忙しかったけれど、友人に誘われるまま様々なことを経験しました。でも本当に自分がしたいこと、やってみたいことはいつも後回し。そのうち、仕事以外に自分がやってみたいことや趣味は何なのかわからなくなっていました。
だから、
『私から仕事を取ったらいったい何が残るの?』
と、常に仕事を生きがいに生活をしていました。
そんな私ですが、主任看護師6年目に体調不良が改善せず、同時に不妊治療に専念したいと一念発起して退職することに。
これで、社畜生活とはおさらば。
ゆっくり体調と向き合うことができる、と思っていたのですが・・・
今回は、仕事人間が主婦になるとこころに起こる可能性とすべきことについて述べていきます。
そして、現在の生活も。
実体験に基づいて綴っております。
これから退職されるかた、ぜひ参考になさってください。
※あくまでも個人の経験に基づくものです。全ての方に当てはまるとは限らないことをご承知いただけますと幸いです。私は、不妊治療をするため退職したのですが、その治療もうまくいっていなかったのでなおさら精神的に落ち込んだと考えられます。
このブログでのぶきようさんとは・・・人より時間がかかってしまったり、他人を優先してしまったり。よく失敗するくせになんでも全力でやって気づけばいつもへとへと。そんなマジメで一生懸命なひとのこと。
仕事人間が主婦になると起こること
社会と隔絶された気持ちになる
ひとと会うということは疲れたり、厄介ごとに巻き込まれたりと嫌なこともあります。
ひとと会わなければそういったことにも関わらなくてよくなりますが、そもそも、文明社会はひととひととの関わり合いで今まで栄えてきました。ひとが動く社会、会社でいう組織に関わることがなくなれば、仕事人間でなくとも社会との隔たりを感じてしまうことになるでしょう。
友人・同僚・後輩と疎遠に
実は、退職したときに真の人間関係が見極められるんですよね。
職場で親友ができることもありますが、結局、職場の人間関係は職場だけのものなのです。
寂しいけれど。
でも、疎遠になっても絶縁はしないこと。
人間関係に無理はしないこと。
あくまでも程よい関係を持つ。
またいつかどこかでご縁がつながるかも、くらいに考えて。
置いてけぼりになったような気持ちになる
無職でいる時間は自由でよい!・・・と思うけれど、この自由な時間でも、世の中のひと達は、仕事をしてがんばっている・・・というジレンマを感じてしまうでしょう。
自分は価値がないと思ってしまう
仕事に対して意欲的に取り組んでいればいたほど、退職したときの落差は大きい。
まして、なによりも仕事を優先していたひとならなおさらです。
退職しても、すぐに次の職場が決まっているならさほど影響はないかもしれません。
看護管理職からの無職は『価値がない』と思ってしまっても致し方ないことです。
でも・・・
仕事をしていた頃の自分も、仕事を辞めた自分も価値は変わらない。
ひとと比べることはやめましょう。
自分の価値を自分で認めてあげてくださいね。
何をしたらいいかわからない
仕事人間で生きてきたひとであればあるほど、自分の価値は仕事をしているときだと感じています。
ですから、仕事より自分を優先してこなかったひとは、仕事がなくなったときにどうしたらいいのかわからなくなってしまいます。
無気力になる
なんにも目標がないままに過ごすと無気力になってしまいます。
仕事人間だったひとであればあるほど自由な時間を持て余してしまうことでしょう。
仕事に関することを見聞きすると悲しくなる
私は主任看護師を辞して10年経ってもまだ救急車やドクターヘリを見ると時々涙が出てきます。
今までたくさんの患者さんの対応に当たってきたことが生きがいだったからです。
このように自分が経験していた生きがいが、もうできないという現実をわかっていても納得するまでには時間がかかってしまうものなのです。
焦る
上記を色々と述べてきましたが、これらを総合的に考えてしまいとても焦ります。
また、仕事をしていないということは収入がないということ。
たとえどんなに潤沢に貯蓄があったとしても、収入がなければ先を考えて焦ってしまいますよね。
ひとによっては精神的に不安定になったり、夜眠れなくなったりすることもあります。
しかし、体調不良で退職したのなら、まずはゆっくり休むこと。
不調が続く場合は無理をせずはやめの受診をおすすめします。
仕事人間が退職するとこころに起こる可能性を知っておく
急に無職になるということは、頭ではわかっていてもこころに大きく影響します。
やっぱり仕事がしたくて、すぐに次の転職を探す方も多いと聞きますが、事情があってすぐに働けない方、完全に定年退職をすると決めた方は以下のことを知っておくとよいと思います。
今まで頑張ってきたことは絶対無駄にならない
今までたくさん頑張ってきたあなた。
誰かに褒めてもらわなくていい。
自分自身があなたをこころから認めてください。
もしかしたら、やり残した、とか、もっとやりたかったとか思っているひとがいるかもしれません。
もし、やり残したことがあったとしたら別のかたちでなにかに関わることだってできます。
仕事の人間関係は仕事だけのもの
上記でも述べましたが仕事で付き合いのあった人間関係は、よほど仲のよかったひとでも、疎遠になることが多いです。
たまに会いたいなと思って会っても、話が合わなくなるし、そもそも相手はそんなに自分に会いたいと思っていないかもしれません。
そうなのです。
職場での人間関係はあくまでも職場だけのもの。
さみしいけれどずっと続くものではないのです。
むしろこう思っておくと、とても気が楽になりますよ。
退職するとこころが落ち着くまで時間がかかる
仕事を生きがいにしていたひとであればあるほど、退職したら慣れるまで落ち込んだり、悩んだりすると心得ておくことです。
私も落ち着くまで毎日泣いて落ち込んでいました。そして、自分を責めていました。
退職したくらいで落ち込むなんて、と思うでしょうが、それだけ仕事に情熱を注いでいたのです。
でも、悪いことではなく、落ち込むことが通常の反応であると思っておけば、自分を責める必要もありません。
しばらくめそめそして落ち込んで、自分がどれだけ頑張って仕事をしてきたのかをどっぷり振り返ってもいいんですよ。
考えてしまうときは運動をする
色々考えて、こころが辛い思いをしているときもあるので、色々考えてしまうときって、頭が自由過ぎるのかもしれません。
そんな時は、散歩でも、筋トレでも体操でも家事でもいいからとにかくからだを動かすこと。
余計なことを考えるヒマがなくなります。
断捨離もおすすめです。ただし、いきおいで大切なものまで無理に捨ててしまわないようにしてくださいね。
からだを動かせば血の巡りもよくなります。
ずっとやりたかったけどできなかったことをやってみる
紙に書き出してみましょう。
時間がなくて、やりたかったけどできなかったことがたくさんあるはず。
なかなか、思い浮かびませんか?
では、あなたが好きなことはなんですか?
今まで経験した楽しかったことはなんですか?
必ずあるはずです。
体調に変化がなければ、思い切って旅行へ行くのもよいでしょう。
落ち込みが続くときは必ず受診を
仕事が生きがいだったひとが無職になると、体調が悪くなったり、喪失感からこころの病を発症することもあり得ます。
こころの病気はとかく無理をすると、改善するまでに時間がかかります。
すぐ次の転職先が決まっていたとしても、決まっていなくても、なにかしらの症状があるときには無理せず必ず受診をしてください。
元ぶきよう主任看護師の現在の生活
さて、元主任看護師の現在の生活はどうなっているのか・・・
実情をご覧ください。
※全てのひとにあてはまるものではありません。
主任看護師からパート看護師へ。お給料は半分以下。住環境、お買い物、こんなに変わりました。
住居
6万5000円の4LDK庭付きマンションから、家賃5万円の3DKアパートへ引っ越し。
洋服
デパートの日本製ブランドからユニクロ、しまむら。着心地がよくて、丈夫で自宅で洗濯できる洋服へ。
化粧品
デパートコスメから近所のドラックストアで、ネットの評価を参考に安くていいものを探す。
美容室
肌が弱いのでカラーリングをやめました。お手頃のお値段の美容室を苦労して見つけてカットしてもらいます。時々セルフカットもします。
スーパーマーケット
新鮮だけど高いスーパーから鮮度は普通だけどお安めのスーパーへまとめ買い。
本
読書好きなので書店で買うか、ネットで新品をまとめ買いしていましたが、なるべく安く読みたいので今は図書館か中古本。
健康食品、宅配スーパー
健康食品はからだに良いものもありますし、宅配スーパーは便利ですが割高なのでやめました。
保険
主任看護師時代は不安で6つ(!)も入っていました。今は2つのみ。
家族と相談して、病気になったときの保険だけ残して自分にとって本当に必要な保険だけに絞りました。
友人との交際
頼まれるまま幹事をよく引き受けていましたし、よく誘われるままお出かけしていましたが自分の時間も大切にしたいのでやめました。気乗りしないお誘いには行かないことにしています。
元社畜主任看護師が週4パート看護師になったら・・・
お金はないけど時間はそこそこあるパートの現在。
ランチはほぼ冷凍食品。贅沢は時々ちょっといい紅茶とお菓子を買うこと。
たまに、ささやかな節約小旅行。
休みの日は自宅で家事をしながら、ブログや絵を描く生活。
出がらしの紅茶をすすりながら、手を休めて窓の景色をのんびり眺める。
お金はたくさんないけれど、私にはなんだかこの生活がしっくり。
お金をたくさん稼いでいた時にはけっして味わえなかった、今こそがささやかな私の幸せ。
けれど、それは主任看護師という貴重な役割を経たからこそ感じる幸せなのです。
まとめ
体調不良のため、主任看護師を退職。あの社畜主任看護師からようやく解放された私でした。
けれど、自由になったはずなのに何をしたらいいのかわかりません。
色々な人から『ゆっくり休みなさい』
と言われましたがどうにもそのゆっくりがわからない。
看護師が人生の生きがいだったと気づかされ、喪失感から毎日つらくて涙。これも今思うと仕事に執着していたんですね。
時間が経つにつれ、ようやく自分自身が本当にしたいことが確立するようになったのは、橋本病(慢性甲状腺炎)の治療、不妊治療の終了を経て、転職看護師を繰り返し、なんと主任看護師を辞めて約10年後のことでした。
なぜこんなに時間がかかったのか。
なぜならば、私は子供のころから今までずっと耐えること、周りを優先することが多い生活だったから。
ですから、自分が本当に何をしたいのかわからなくなっていたのです。
ずっと我慢してきたひとには長い充電期間が必要です。
その長い充電期間のおかげで今の自分に納得できるようになったのでした。
大好きな主任看護師を辞めることは非常に辛いことでしたが、そのおかげで、本来の自分の生き方を見つけることができたのです。
退職される全てのかたが本当の自分の生き方、納得された楽しい時間を過ごすことができますように。