看護師として救急車に同乗したら、転院先によく知っているあの人がいた…転院搬送の思い出

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to be transfer 看護師の経験

こんにちは。看護師ぶきようさんのかげどんです。

看護師歴はすでに20年以上。第一線は退きましたが、まだまだ更新中です。

さて今回は、患者さんの転院搬送での出来事になります。

看護師のみなさんは、患者さんの救急車での転院搬送に同乗をされた経験のある方もいらっしゃると思います。患者さんが自施設で治療ができない場合、受け入れ先へ転院し、入院、治療をします。私がいた病院は二次救急の施設(病院)の周辺地域では二次救急の施設が少なく、救急隊の方とお話しする時に「いやー、本当にこちらの病院があるので助かりますよ」というのをよくきいていました。

二次救急、救急医療体制について。

それでも、二次救急の病院でできる事は限界があります。大学病院の救命救急センターや三次救急を扱う総合病院ほど施設設備もマンパワーも整っているわけではありません。ですから、患者さんがより良い治療を受けられるように転院搬送が必要なのです。

消防機関が救急業務として行う転院搬送は、原則として以下のイ及びロの条件を満たす傷病者について、転院搬送を要請する医療機関(以下「要請元医療機関」という。)
の医師によって、医療機関が所有する患者等搬送車、民間の患者等搬送事業者、公共交
通機関等、他の搬送手段が活用できないと判断される場合に実施するものとする。
緊急性
緊急に処置が必要であること。
専門医療等の必要性
高度医療が必要な傷病者、特殊疾患等に対する専門医療が必要な傷病者等、要請
元医療機関での治療が困難であること。なお、一の医療機関において急性期の治療
が終了した傷病者について、当該医療機関の医師が、他の医療機関において専門医
療又は相当の医療を要すると判断したときにおいても、当該要件を満たす場合もあ
ること。

https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/assets/280331_kyu34.pdf

近年、救急車の適性利用が求められていますが転院搬送もさもありなん。

転院搬送で救急車が利用できることを感謝せずにはいられません。

転院搬送決定

さて、救急外来での管理当直をしていた私かげどん。

とある患者さんの転院搬送が決定しました。夜半過ぎての当院の入院でしたが、痛みが治まらず週末という事もあり、転院する事となりました。さて、誰が転院搬送に同乗するか…時は朝の9時を過ぎています。本来ですと、日勤当直者に交代した時間なので日勤看護師が同乗するのですが、週末の救急外来は朝から患者さんですでに混雑。受診依頼の電話も立て続けに鳴り響いています。転院搬送でスタッフが一人いない時間ができるとてんてこまいでしょう。それほど一人のスタッフのマンパワーは有難いものなのです。自分が救急受診から患者さんの状態を一番よく知っているので、今回は私が転院搬送の同乗をする事になりました。患者さんはおなかに痛みがあるのですが、意識ははっきりしており、幸い状態は安定しています。

病状によっては医師も救急車へ同乗する

今回は看護師の私だけの救急車同乗でしたが、患者さんの病状によっては医師も同乗して行くこともあります。

通常、転院搬送は看護師が同乗することが多いのではないでしょうか。

病院の救急車で転院搬送を行うこともある

自施設に救急車がある場合、その救急車で転院搬送を行うこともあります。

通常、病状が落ち着いている患者さんの転院搬送に使用されることが多いと思われます

その場合、運転手は自施設の職員が行い、患者さん、ご家族、看護師、病状によっては医師も同乗します。

救急隊員の方はもちろんいらっしゃらないので、看護師ひとり同乗では当然心細いですね。

民間救急車とは?

ところで時々聞く民間救急車ですが、どういったものなのでしょうか?

緊急性の低い方の入退院や通院、転院、社会福祉施設への送迎時などの移動手段を提供しているサービスです。

これは正式には「民間患者等搬送事業」と呼ばれ、消防庁の指導基準(平成元年10月4日消防救第116号各都道府県消防主管部長あて消防庁救急救助課長通知)に基づいています。

民間救急サービス – 西日本民間救急(日本民間救急総合受付センター) (wj-pam.jp)

有料サービスの救急車のことでした。

病状が落ち着いている寝たきりの患者さんの転院はご家族だけでは厳しいものがあります。

ですから、病状の落ち着いているかたやご家族にとって、安心安全に手厚いサービスを受けられるのは大変助かります。

忘れ物無きよう

そうこうしているうちに当直医師が転院先と話をつけてくれたので、経過を書いた医師のお手紙、画像CD、検査データ、ナースサマリーなどを持参して忘れ物がないようにします。

点滴がある場合、転院搬送中になくなってしまわないように十分注意します。

つなぎの点滴がある場合、忘れないようにします。

同乗ご家族の確認と、転院先でひとりぼっちになってはぐれてしまい、自施設に連絡手段のためにスマホを持ちます。めったにありませんが・・・(念のため水分補給できるものもあると安心です)さらに自分自身のお手洗いも済ませ、救急車を呼んでもらいます。(もしくは自ら救急車を呼ぶことも)

保険証、診察券やお薬、書類、靴、入れ歯なども忘れやすいので注意が必要です。

申し送り用のナースサマリーをまとめておく

ナースサマリーは、出かける前にまとめて、データとして自施設にも残しておきます。転院先に大切なところをまとめて申し送りし、お渡しするために必要です。

自施設にナースサマリーの書式があると思われますので、そちらに記入してまとめます。

どこから救急車は来るのか

ところで、救急車はどこからやってくるのかご存じでしょうか?

119番通報をした場合、消防車や救急車はどこから来るのですか?

お住いの地域を管轄する消防本部の消防署から出動します。
また、状況に応じて市境の市町村から応援出場する場合もあります。

Q&A | ちば北西部消防指令センター (chiba-hokusei119.jp)

いつも迅速に来てくださる救急隊の皆さんには感謝しかありません。

揺れる救急車と車酔い対策を

さて、救急車へ収容となり、転院先へと向かい始めました。

しかし救急車ってなんであんなに揺れるんですかね。毎日乗っている救急隊のみなさん、すごいですね!私は酔わないのですが、中には車に酔ってしまう方もいるので、そういう方は酔い止めを飲んで出かけます。

念のため、私は救急車に乗る時はもしもの時のために、

・ビニール袋

・プラスチック手袋

・箱ティッシュ

を持参していました。患者さんやご家族が具合が悪くなって酔うとも限りませんし。

救急隊ばかりにお手間はかけられません。

いやしかし、忘れてたけど、夜勤明けの自分が気分悪くなりそうですよね。

到着してバックドアが開いた先にいたのは

さて、転院先に到着し、バックドア(救急車の後ろの扉)をノックする音がし、救急隊により大きくドアが開けられました。救急隊の先にいた転院先職員は…

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勤務中に家族と会うのが苦手です

夫でした。

今回の転院先は夫の勤務する病院。私は夫が勤務中とは知っていましたが、まさかドアが開いてすぐ夫に会うとは。夫も私が勤務している病院から搬送があると連絡があったとはいえ、私が同乗してくるとはつゆ知らず。顔を合わせてちょっとびっくりしていました。もちろん、事前にメールか何かで夫に連絡する暇なんてありませんでしたし。

私「…おはようございます」(夜勤明けです)

夫「…どうぞこちらへ」(大丈夫ですか)

夫婦の短い会話です(笑)ちょっとやりづらいですね。

さて転院先では申し送りをしますが、事前にまとめたナースサマリーを参考にするとよいでしょう。

実際には以下の内容で説明するとスムーズです。

  1. 患者さんの氏名、年齢、性別
  2. 主訴、病名
  3. 既往歴
  4. 現病歴
  5. 現在の状態
  6. 検査のデータ
  7. 医師の指示内容
  8. 病状説明内容

実は緊張していたので、車内で申し送りの練習をしていました。(笑)

申し送り後、特に質問等なく・・・

『あとはこちらで引き継ぎます。おつかれさまでした』

と言われると、本当にほっとします!

その後、転院先へあいさつし、帰路へと向かいました。

無事に転院先での任務完了。

帰りの救急車内のホッとした空気

私が以前勤務していた地域では田舎だからでしょうか、有り難いことに帰りも行きと同様に救急車で自施設へ送ってくれました。

けれど、しらべてみるとタクシーチケットで自施設へ戻ったり、自腹でタクシー代を払ったり、歩いて何時間もかけて自施設へ戻ることもあるとか・・・。

歩くのは大変すぎますね!

さて、行きの車内はたとえ患者さんの状態が落ち着いていても、緊張感は否めません。

でも、帰りの車内はホッとして救急隊の方とお話したり、緊張してカラカラになった喉を飲み物で潤したり、ひとときの和やかな空気が流れます。

救急車は自施設まで私を送り届けてくださり、消防署へ帰還します。帰るまで気が抜けませんね。さらに帰還してもすぐにまた要請が来ることだってあるんですから。本当に大変です。

救急隊のみなさん、ありがとうございます。あの頃は大変お世話になりました。

まとめ

今回は、転院搬送について書いてみました。救急隊のみなさん、感染症渦でも本当にお疲れ様です。大変な事もあると思いますが、みなさんのお陰で助かっているひとがたくさんいます。こころより応援しています。

しかし、夫も救急車から妻が出てくるとは思わなかったでしょう。あれから何年も経過しましたが、いまだに思い出すと笑えます。

では、またどこかで~。

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申し送り、緊張するなあ
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