もし、あなたが今、転職することをただ漠然と考えていたら・・・
そんなあなたが何も考えずに転職すると失敗します。
私は看護師歴20年越えのかげどんといいます。
私は数回ですが転職経験があります。
その結果、自分の特性をよく考えずに他人のために生きるという強烈な思い込みをして何度も転職を失敗しています。
ぶきような皆さん、転職は初めてだと思いますが、転職したい理由はなんですか?
私は経験を活かして大学病院へ転職したいです。
私は採血が得意なので健診センターで働きたいです。
わかりました。
でもぶきようの皆さん、転職で起こる可能性、本当にわかってますか?
自分のやりたいことや得意なこと、経験したことを活かして転職したい!
そう思うのはとてもすばらしいことなのですが、
ぶきようなひとほど他人のために尽くしてしまいがちで、それを自分の生き甲斐だと勘違いして身をつぶしてしまうことがあります。
また、そもそも自分の特性を理解しないまま転職を繰り返してしまうことも考えられます。
ぶきような看護師さんが転職して失敗する前にぜひ知っておいてほしい内容となっています。
また失敗して苦労し、気付いたことをお伝えしていきます。
ぜひご覧ください。
この後、体験談が続きます。
読み飛ばしたい方は40代で転職して気付いたことへお願い致します。
このブログでのぶきようさんとは・・・人より時間がかかってしまったり、他人を優先してしまったり。よく失敗するくせになんでも全力でやって気づけばいつもへとへと。そんなマジメで一生懸命なひとのこと。
転職で苦労したぶきよう看護師(私の失敗談)
40歳直前で主任看護師を退職するまで、バリバリと仕事をこなしていましたが、不妊治療をするためやむなく退職。
不妊治療が原因で転職先落ちた
主任看護師退職後、しばらくすると働きたくなってきました。
パートでどこか働けないかと思い、運よくメンタルクリニックで面接することに。
有り難いことに不妊治療中でも構わないからと、歓迎され、具体的に勤務の内容を説明され、いつから勤務となるかは追って連絡するとのことでした。
ところが、面接の結果はダメでした。
やはり、突然お休みとなるのは困るとのこと。
よく考えたら落ちるのは当然です。
なにせ、不妊治療は突然明日受診、なんてことがザラだからです。
慣れ親しんだ病院でパート看護師となるが・・・
その後、主任看護師をしていた時の看護部長から連絡をもらい、不妊治療中だということは百も承知で働いてくれないか、とのこと。
慣れ親しんだ病院の健診センターでパート看護師として再就職することになりました。
少しでも病院の皆さんの役に立ちたい、との気持ちからでした。
ところが、そこで先輩看護師からみんなの前で怒鳴られるということがたびたび起こりました。
また不妊治療もうまくいかず終了し、同僚から腫れものに障るような対応をされることが辛く、数年頑張りましたが転職を考えるように。
この転職は今思うと、不妊治療に専念すべきだったと考えます。
やりたい事を選んだら転職失敗した
私は、いつしか高度生殖補助医療(不妊治療)に興味を抱き、念願叶って専門クリニックへ転職しました。
しかし、自分自身も以前同じような経験をしていたことで不調をきたし、更に不運なことにクリニックの院長夫婦からスケープゴートにされてしまい、退職することになってしまいました。
得意を選んだらまた転職失敗
この後、どうしたかというと、採血が得意な私は、献血看護師へと再転職。
ところが、ここでも人間関係の厳しさに身を削られ、かつ、時間に追われながら正確に業務を行うことが合わず退職。
友人から紹介されたデイサービスで落ち着く
前回退職してから数か月後、友人からの紹介でデイサービスに勤務することになりました。
人間関係も良く、誰も怒鳴らず(あたりまえですが)、時間に追われることは必要最低限。
そこでようやく継続して勤務することができたのでした。
40代で転職して気付いたこと
年齢が上がれば上がるほど新しい場所は慣れるまで労力がいる
異動もそうですが、働く場所が変わる転職というのは非常に労力を使います。
まして年齢を重ねてからの転職となればさらにそれが強くなるでしょう。
(ただ、だからといって年齢を重ねたから転職はしないほうがいいとは思いません。)
年齢が転職先では脅威になる
歳をとってから転職ですとなかなか若い頃のようにいきません。
歳を重ねれば重ねるほど、怖がって若い同僚はなかなか近寄ってこないことがあります。
なんなら脅威に思われて、冷たくされることすらあります。
自分の立場が脅かされるのが怖くて、転職者にあからさまに嫉妬するひともいます。
覚えるまで時間がかかる
さらに新しいことを覚えるまでに若い頃より時間がかかります。
疲れやすい
同じことをしても、若い頃より疲労します。
なかなか疲れがとれません。
体はどんどん老化していっているので当たり前のことなのですが、どうも若い頃の経験で『大丈夫』だと思ってしまうことがあります。
年齢をかさねれば体はどんどん疲れやすくなり、なかなか疲れが取れづらくなってくることを理解しましょう。
人間関係に慣れるまで時間がかかる
すぐ職場に溶け込めるひともいますが、一年経ってようやく慣れてくるひともいます。
そもそも新しいことに慣れることに時間がかかるひとは、転職先でも慣れるのに時間がかかる、とおもっておいたほうがいいです。
自分の適性を理解していなかった(試しに適性検査を受けてみましょう)
自分の強み、弱みを全く把握しないまま、自分の思うまま転職先を決めてしまいました。
転職するなら、自分自身の特性や強み、弱みやを把握することが非常に重要です。
ゴールドバーグというひとが唱えたビックファイブ理論。
ビックファイブ理論から性格特性を理解します。
看護師のあなたの性格でどんな施設や業務が向いているか診断できます。
もしかしたら、看護師以外のお仕事が向いているのかも、と思ったら診断してみるのもいいかもしれません。
※これらの診断から、全て正しい結果が導き出されるとは限りません。
あくまでも参考にしてください。
また、自分のことをよくわかっているひとに助言をしてもらうこともよいでしょう。
やりたいことも得意なことも好きなことも自分に合うとは限らない
わたしの体験談ではやりたいこと、得意なことが自分に合うとは限らないとお伝えしましたが、もうひとつ、好きなことも自分に合うとは限らないです。
なぜならば、自分自身が本当は苦手なことなのに『好きなこと』だと思い込んでいる可能性があるからです。
自分自身をよく振り返ったり、自分のことをよくわかっているひとに助言をしてもらうことも大切です。
また、仕事の内容にもよりますし、仕事そのものは好きでも、その時の人間関係や環境が合っていないと職場自体が自分と合わないこともあります。
無理にやっていた
そもそも転職先の仕事内容が自分自身の適性と合っているのか、そもそも無理をしているではないか、ということも考えられます。
わたしは今までひとの役に立ちたいという気持ちが強く、本当はしんどいのに、無理をしていました。
ある転職先では、通勤に片道一時間かけて無理やり通っており、常にイライラして疲れていました。
また、不妊治療の経験を活かして役に立ちたいと思って働いたにもかかわらず、実際は自分自身が辛くなってしまったのも無理をしていたためなのでした。
自分の身の丈が理解できた
私はずっと急性期の病院で管理職も夜勤も自己研鑽もしながら駆け抜けてきました。
ですからいつのまにかバリバリ働かなくてはいけないと思い込んでいたのです。
けれどひとはひと、自分は自分。
看護師も人間ですから、途中で心身に不調をきたすひともたくさんいるのです。
また、ライフステージ、転居等でバリバリと働きたくても働けないひともいます。
看護師の仕事がどうも合わなくて他の仕事をしたら合っていたというひとも。
他のひとが苦労して働いているのだから、自分自身も同じ思いをしないといけないのではないか、と思わなくていいのです。
自分と他人の大変さは、別のモノ。別の人生なのですから線引きをして考えるべきです。
会社はどこでも自分を受け入れてくれるわけではない
『あなたはどこに行ってもうまくやっていける』
異動するたび言われていましたし、自分自身もそう思っていました。
しかし、転職してそれは愚かな間違えだと気付きました。
ただただひとと環境に恵まれて運がよかっただけ。
職場の風土、仕事内容、人間関係など組織が変われば合う合わないが絶対にあるのです。
誰にでも合う組織なんてないのです。
『私はどこでも働ける』と言っているひと。
失礼を承知で申し上げます。
あなたは大変努力をされたと思いますが、それ以上に運がよく、環境やひとに大変恵まれていたのではないでしょうか。
人間関係は大切!
転職して痛感したことは、今までさんざんひとに恵まれ過ぎていたということでした。
私は世間知らずだったのです。
看護の世界は、ブラックが多い。なぜならば、それだけ精神的にも肉体的にも大変な仕事だからです。
仕事のハードさに加え、女性の多い職場では人間関係に非常に気を遣います。
当然、人間関係は難しく、厳しくなりがちです。
また、あれ程たくさんのひとと仲良くしていたつもりでもいざ退職したら、すっぱり縁が途切れてしまう。悲しいけれど、これはどんなひとでも起こります。
ですから、退職してもつながりが切れないひとはとても大切なのです。
退職したときにひととのつながりがよくわかります。
それを定年退職のときではなく、若いときに身をもって理解できて良かったと思っています。
歳を重ねてから知ったら、もっと落ち込んでいたかもしれません。
転職とはある意味『賭け』である!
さんざん吟味して、満を持して憧れていた職場へ転職するひともいることでしょう。
ところが、実際働いてみると、『思っていたのと違う・・・』
『人間関係が辛い・・・』
と感じることは多々あるのです。
今でしょ!の林先生は、仕事で『やりたいこと』を試したけど、うまくいかなかった。
で、塾講師をしたら、これがやりたくないけど『できること』だったそうです。
でも、結局、林先生のおっしゃっていた『やりたいこと』も『できること』も挙句の果て『好きなこと』も私には向いていませんでした。
『やりたいこと』も『できること』も『好きなこと』どれももうまくいかないこともあるのです。
それというのも、自分の適性をよくわかっていなかったせいもあります。
転職する前に自分とよく向き合いましょう。
苦労して転職したけれどもやっぱり合わなかったら、労力はかかりますが潔くまた転職することもよいのではないでしょうか。
どんなに準備万端で挑んだとしても失敗することはあり得ます。
やはり私には転職は賭けであるといえるのです。
けれど、数々の失敗があるからこその学びがあるのです。
失敗しても転職をしてみることは自分を試す意味でもとても大切なこと。
後々、『転職しておけばよかった・・・』と後悔する前にチャンスと覚悟があるなら自分自身を試してみるのも悪くないのではないでしょうか。