看護師ぶきようさんのかげどんです。
私がお店に入るとなぜかその後から人が増えてくる!
自意識過剰なのか?と思いましたが本当に人がやってくるんです。
これって地味に疲れる。混んできたからあわててお店を出る事も。せっかく空いているお店に入ったのに…
そしてなんと、勤務する病院でも同じ事が起こります。
救急外来当直をしても、病棟で勤務しても外来へ行っても・・・なぜかいつも忙しさに当たる。
急変にも、ステルベンにもなんだかよく当たる・・・。
そう、私は自他共に認めるいわゆる当たるひと体質(まねき猫)。
皆さんの中にも当たるひと体質なスタッフさんがいるのでは?
まねき猫看護師って縁起良さそうですが…
救急外来での勤務、日常での外来勤務や病棟勤務・・・どんな勤務でも忙しさがやってきます。
いそがしくて医師や同僚たちから一緒の勤務(特に夜勤)するのを嫌がられます…(笑)
この記事では、そんな切ない(涙)当たるひと体質の方が忙しさに当たったとき、
1、当たることでひとから嫌味を言われたときの対策(切り返し方)と考え方
2、当たるひとで良かったこと(利点)
3、当たるひとで疲れたときの過ごし方
以上の対策を考えてみました。
よろしければ参考にしてみてください。
このブログでのぶきようさんとは・・・人より時間がかかってしまったり、他人を優先してしまったり。よく失敗するくせになんでも全力でやって気づけばいつもへとへと。そんなマジメで一生懸命なひとのこと。
対策法① それがどうしましたか、と伝える
まずは、からかってくるスタッフに対しての切り返しです。
医師や同僚たちから『あなたと一緒だと忙しくて困るわ~』と言われる事もしばしば。
まあ、まねき猫ですからね。
『そうですけど、それがどうしました?』
しょっちゅう言ってくる人には思いきって言ってみます。
まあそうやって揶揄してくる人は、いつも人をからかって面白がっている人なのです。そして、弱い人にしか強く出れないんですから。ビシッと言ったらそれ以上言わなくなりました。『だって実際忙しいでしょ』などと逆ギレしてきても、『経営に貢献してますから』『お陰様で皆さんに助けていただいています。どうもありがとうございます』と笑顔で言ってみましょう。そして、必要な事以外は関わらない様にするとよいですよ。
対策法② 病院の売り上げに貢献していると考える
ある日救急外来の管理当直をしていた時の事。
事務部長さんが帰り際、鍵を返却しにやって来ました。
事務部長さん『やや!今日はかげどん主任さんが当直ですか?そりゃ良かった!
明日までに満床になりますね(ニッコリ)』
とのこと。
病院の事務部長さんのお立場は院長、看護部長と並んで経営の三大トップです。
そんな事務部長さんは私を当たるひと体質とご存知な訳で。期待をして帰っていったのでした。
入院や受診が多ければ経営には貢献できる。患者さんも診察や入院させてもらえれば助かると思いますし。
ただ、当たるひと体質の看護師さんと一緒に働いたスタッフは『あなたのせいで忙しいぞ』と思っているかも(笑)
自分もそうだけど、忙しいと自分がどれだけ貢献しているかなんて考えられないですよね。
それでもいいんです。そう思いたいひとには思わせて、自分が忙しくさせているという負い目を持つより、病院に貢献している、と潔く気持ちを切り替えてしまいましょう。
対策法③ 同じ当たるひとをみつけてわかち合う
各部署に当たるひと体質の看護師さんがいるのではないでしょうか?
また、当たるひと体質の先生。薬剤師さん、放射線技師さん、臨床検査技師さん、事務さんたちも。
そういう方と日頃の大変さを分かち合う事ができるのは嬉しい。
『あんな事あって大変だったね』と思い出話にはなを咲かせる事も。同志には同志にしかわからない事がありますから。そこで仲良くなり、何かと相談し合えるようになると、職業上とてもいい関係になれます。
対策法④ 急変やステルベンに当たったら『自分を選んでくれた』と考える
当たるひとで、精神的ダメージが大きいのが『急変』と『ステルベン』(死亡退院)に当たること。
ステルベンとは・・・
ステルベンとは・・・ドイツ語で『死ぬ』を意味するsterben(死亡)
が由来。同僚との会話では『ステった』『ステる』とも言いますね。
お看取りは経験豊富な看護師でも、なかなかつらいこと。
ステルベン・・・お看取りは患者さんとの永遠のお別れです。
患者さんと関わりが多かった看護師であれば特に深いダメージを受けることでしょう。
急変とは・・・
急変とは・・・急に患者さんの病状、状態が悪化すること。
今までお元気だった患者さんが、ある時急に状態が悪化することがあります。
こんな時、『自分のせいかも・・・』
と落ち込む看護師さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
急なことで予測ができないことから、どんなに対応に慣れている看護師でも慌てたり、対応に戸惑ってしまったり、ということが起こりえます。
だからといって、自分のせいだ、と落ち込まないこと。
看護師さんなら誰でも自分に責任を感じてしまう急変に当たった経験が必ずあるもの。
自分を責めるより反省点は反省し、次回に活かすことです。
長年、病院で勤務して経験して参りましたが、当たるひとは基本的に人柄がよく、俗にいう『良いひと』だと思われます。
そう思うと、急変やステルベンは患者さんから頼られやすいからということですが…良いことかもしれませんが、こうしょっちゅう忙しさが続くとなかなかそう思えませんね。
ステルベンや急変が自分の受け持ちで続く時は、特に自分を選んでくれたと思うようにしているっていうベテラン看護師さんがいましたね。
私もそう思うようにしています。
対策法⑤ 良い意味で開き直る
『ああ今日もきっと慌ただしくなるんだろうな…』
と、思っていると慌ただしくなる。
けれど、
『さあいつでもどうぞ!』
って思っていれば案外落ち着いている。
要は気の持ちようです。
あと、忙しさに当たっても、みんなに申し訳ないと考えないほうがいい。
あんまり自分のせいとか考えず、手伝ってもらったら、
『ありがとうございます』
これでいいのではないでしょうか。
当たるひと体質で良かった事
悪い事ばかりなんて思わないで。私が当たるひと体質で良かった事を。
人の大変さが理解できる
私は忙しいときの大変さが良くわかるので、忙しさに当たったひとになるべく声をかけるようにしていました。『昨日は大変でしたね。お疲れさまでした』と。時にはあしらわれる事もありましたが…声かけてあしらわれたっていいじゃないですか!大変だった事を声をかけて労ってくれる人が一人でもいたら、誰だって救われる。大袈裟じゃなく。
ひとから労われたとき、ああ、看護師やってて良かったなあとしみじみ思うものです。
経験値が増える
忙しい事にたくさん当たる人は当たらない人より必然的に経験が増えます。なかには内科病棟で2年間勤務して一度も呼吸器のついた患者さんの夜勤に当たらなかったっていう逆当たらないひと(?)の看護師さんもいましたね。
まあそんな方はまれですが長く勤務していれば、かつ当たるひとならば普通のスタッフより余計に経験が増えるでしょう。当たる看護師さんと一緒に勤務していれば周りのスタッフの経験値だって増えるんです。その分失敗も増えますが、対処法だって負けず劣らず増えていくわけです。経験、失敗の分だけ引き出しが増えるのは長く勤務する本人にとっても、働くスタッフにとっても、患者さんにとっても、ひいては施設にとっても有益になること間違いなしなのです。
そしてやっぱりスタッフは助けてくれる(ありがたい)
こんなに自分の時ばっかり忙しくて、一緒の勤務の人、申し訳ない…ああもうお手上げ…悲しい。
と思いながらもまわりのスタッフは憎まれ口を言いながらなんだかんだと助けてくれるはずです。働いているからにはやる事はきちんとやる。だって人の命を預かってますから。
余談ですが、スピリチュアル(神秘的、霊的)的に当たるひとはどうなのか?と個人的に考えるなら、『当たることで経験したことを活かす』ではないでしょうか。
当たるのは、自分が何か悪いことをしてきたのではないか、とか、バチが当たったのではないかとか考えるのはもったいない。
当たることをポジティブに考えてほしいですね。
本当は労ってほしい。だから忙しい勤務に当たったスタッフには労いの言葉を
私が当たるひと体質で一番思う事。
それは、忙しかった、大変だったのを労ってほしいんです!
時には他のスタッフだって忙しい勤務に当たる事はありますよね。でもだからって、『ほら!私のせいにしてるからバチが当たったんじゃない?』なんて言わないようにしましょう。余計な人間関係のトラブルのもとです。そこはグッと我慢して『昨日の勤務は大変だったね。お疲れさま』という労いの言葉がかけられたら最高ですよ。
これは同職種同士のみならず、多職種同士でも『大変でしたね。お疲れさまでした』と言い合える環境にできたらお互いめちゃくちゃうれしい。これも看護でよく取り入れられる『fish哲学』(米国シアトルの魚市場で生まれた哲学)ですね。
なんだかんだ言ってくる人とは必要以外は関わらない様にするけど、一応、忙しいのを私のせいにしてくるイラッとさんにも伝えておきます!
あとで助けてくれる事があるんです、これが。
それでも『当たるひと体質』な自分に疲れた時の過ごし方
睡眠と好きなことをする
とにかくできるだけ睡眠をとります。一にも二にもまずは睡眠。家事は手抜きして、疲れない程度に好きな事をします。
家族や気のおけない友人とおしゃべりするのもよいでしょう。おしゃべりが苦手な方は思いのまま今の気持ちを書いてみるのもよし。おしゃべりが苦手なひとは、気持ちを書いて眺めると頭が整理できます。ただ、疲れているときには睡眠優先です。
お出かけは昼間に短時間、なるべく控える
あんまりお出かけするのはおすすめしません。お出かけはこころが元気な時に出かける方が楽しめると思いますし。それでもお出かけしたいなら、近場とし、人がたくさんいるところは避け、短時間にするのがよいと思います。個人的には昼間、静かな公園がおすすめです。夜間のお出かけは疲れるのでなるべく避けましょう。
厄払い、お祓い、お塩、鏡、自然とふれあう・・・自分が安心することをする
しかし、あんまり頻回に急変やステルベンが続く時は、お寺へ『厄払い』や神社へ『お祓い』へ行くという看護師さんもいます。
それで、ご自身のこころがスッキリされるなら、厄除けやお祓いされてみるのもよいと思います。
非科学的なことは信じない、という看護師さんもいますが、全く信じない看護師さんはまれで、お寺や神社へ行くひとは多いですね。
お塩を持ち歩いたり、妊婦の看護師さんが鏡を持つように勧められたりするのも厄除けのひとつ。
ご自身が勤務中に持っていて安心するものを日ごろから持ち歩くのもいいかもしれません。
また、おうちのお墓参りをするひともいます。
人間だれしも、何かが続くと、自分自身や環境を振り返るものですね。
私は近所の神社に行っています。菩提寺にも定期的に行きます。
私は当たるひとなくせに、厄除けやお祓いはしてもらったことはありません。しかし、毎月初め、また、疲れたとき、心配なことがあるとき・・・と近所の神社に行きます。遠くの神社にも時々行きますが、近所の神社さんがこころのよりどころです。行くとこころが落ち着くからです。
忙し過ぎて疲れるとからだだけじゃなく、こころが不安定になりやすい。やはり生死の現場ですから、自分のこころの安定をはかるという意味で行っています。
ただ、これはみんな行くべきとは思いません。ひとによっては、海を眺めたり、山に登ったりすることがよいというかたもいますので、自分に合った方法で行うとよいと思います。
まとめ
いわゆる当たるひと体質である私が、悪い事ばかりではないと述べさせていただきました。
くれぐれも忙しくていい事ないなんて思いこまないで前向きにとらえてくださいね!
では、またどこかで~。